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発振原理

2017/03/15

発振原理について
レーザーとは、”誘導放射による光増幅”を意味する”Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation”の頭文字から名付けられています。
基底状態
基底状態物質は、原子と呼ばれる小さな粒子からできています。その原子は中心にある原子核と、その周りの電子にて構成されています。通常、原子(または分子)のエネルギーは最小となるように原子核に近い軌道から電子が埋まっています。この状態が一番安定しており、基底状態といいます。
 
励起状態
励起状態その原子に、熱・光・電圧などのエネルギーを加えると、一番外側の軌道を回っている電子が外側の軌道に移動します。この状態を励起状態といい、基底状態より原子のエネルギーが高くなります。
 
自然放出
励起された原子は不安定なため、基底状態(安定した状態)へ戻ろうとします。このときに、励起状態の原子と、基底状態の原子の差分のエネルギーを光として放出します。これを自然放出といいます。
 
誘導放出
励起した原子が他の原子(種類は同じ)から自然放出された光を受けると、その光に刺激され、光を放出して基底状態に戻ろうとします。これを誘導放出といいます。このとき放出される光は、受けた光と同じ向き・同じ波長・同じ位相という特徴があります。
エネルギー準位図
 
 反転分布
自然な状態での物質は、安定した状態になろうとします。
そのため、なにもしないとレーザー媒質(レーザー光を取り出すための物質)の原子は、基底状態の原子数(N1)が励起状態の原子数(N2)より多くなります(N1>N2)。
この状態で自然放出した場合、光(エネルギー)は別の基底状態の原子に当たる確率が高く、原子を励起するだけで誘導放出は起こりません。
そこで基底状態の原子より励起状態の原子数を多くしてあげる必要があります(N1<N2)。
この状態を反転分布といい、誘導放出が起こります。
反転分布
このように、誘導放出によって増幅させた光をレーザーといいます。
 
共振器
通常の誘導放出で取り出せるレーザー光はとても弱く、強いレーザー光を作り出すには、長くレーザー媒質のなかを走らせてあげればよいのですが、レーザー媒質の大きさにも限度があります。
そこでレーザー媒質の端に鏡を置き、光を繰り返し往復させること光を長く走らせて、強いレーザー光をつくりだしています。
共振器

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